手取り計算の使い方
- 「計算のもと」で「月給から」か「年収から」を選び、額面の金額を入力します。賞与があるときは年間の合計を、通勤手当があるときは月額を入力します。
- 「勤務先の都道府県(協会けんぽ)」と「年齢」を選びます。40〜64 歳は介護保険料が加わります。
- 配偶者控除や扶養親族がいる場合は人数を選びます。住民税は「概算する」「金額を入力」「なし(就職 1 年目)」から選びます。
- 大きく表示されるのが手取りです。下の表で、毎月と年間それぞれの控除の内訳と、計算に使った標準報酬月額・課税所得を確認できます。
手取りの計算方法:額面から引かれる 7 つのもの
会社員の給与からは、社会保険料(健康保険料、介護保険料、子ども・子育て支援金、厚生年金保険料、雇用保険料)と税金(所得税・復興特別所得税、住民税)が差し引かれます。手取りは「額面 − 社会保険料 − 所得税 − 住民税」です。
健康保険・厚生年金は、毎月の給与そのものではなく「標準報酬月額」(給与を区切りのよい等級に当てはめた額)に料率を掛け、会社と本人で半分ずつ負担します。雇用保険は実際の給与額に料率を掛けます。所得税は社会保険料を引いた後の給与から源泉徴収され、住民税は前年の所得をもとに決まった額が 6 月から翌年 5 月まで毎月引かれます。
例:東京都・30 歳・月給 30 万円・扶養なしの場合、健康保険料 14,775 円、子ども・子育て支援金 345 円、厚生年金 27,450 円、雇用保険 1,500 円で社会保険料は 44,070 円。所得税 6,340 円、住民税(概算)12,500 円を引いた手取りは約 23 万 7,090 円です。
2026 年(令和8年)に変わったこと
協会けんぽの健康保険料率は 2026 年 3 月分から改定され、全国平均は 10.0% から 9.9% に下がりました。都道府県で差があり、最も低い新潟県は 9.21%、最も高い佐賀県は 10.55%、東京都は 9.85% です。40〜64 歳が負担する介護保険料率は 1.59% から 1.62% に上がりました。
2026 年 4 月分(5 月に支払う給与)から、新たに「子ども・子育て支援金」が健康保険料と一緒に徴収されています。協会けんぽの料率は 0.23% で、会社と折半するため本人負担は標準報酬月額の 0.115% です。月給 30 万円なら毎月 345 円、年間で約 4,100 円になります。
雇用保険料率は 2026 年 4 月から引き下げられ、一般の事業の労働者負担は 1,000 分の 5.5 から 1,000 分の 5(0.5%)になりました。所得税では令和8年度税制改正により、令和8年分から基礎控除が最大 104 万円(合計所得 489 万円以下)に、給与所得控除の最低保障額が 74 万円に引き上げられ、給与だけの人が所得税を払い始める年収は 178 万円になりました。
年収別の手取り早見表(2026 年・東京都・扶養なし)
東京都で働く 39 歳以下・扶養なし・賞与なし(年収を 12 か月で均等に受け取る)・住民税は前年も同じ年収として概算した場合の年間の手取りは次のとおりです。年収 300 万円 → 約 240 万円(80.0%)、400 万円 → 約 317 万円(79.2%)、500 万円 → 約 394 万円(78.9%)、600 万円 → 約 466 万円(77.7%)、700 万円 → 約 531 万円(75.8%)、800 万円 → 約 595 万円(74.3%)、1,000 万円 → 約 727 万円(72.7%)。
年収が上がるほど所得税の税率が高くなるため、手取りの割合(手取り率)は下がります。一方、厚生年金は標準報酬月額 65 万円、健康保険は 139 万円が上限のため、高収入では社会保険料の割合が小さくなります。賞与の割合が大きい場合や、40 歳以上で介護保険料がかかる場合は、このツールで条件を変えて確認してください。
毎月の所得税と年末調整:2026 年は 12 月に戻りやすい
毎月の給与から引かれる所得税は、国税庁の「源泉徴収税額表」で決まります。令和8年度税制改正は 2026 年 12 月 1 日の施行のため、1〜11 月の源泉徴収は改正前の基礎控除(58 万円)を前提にした税額表のまま計算されます。
12 月の年末調整では、引き上げ後の基礎控除(最大 104 万円)と給与所得控除で 1 年分の税額を計算し直し、取りすぎた分が還付されます。このツールでは、毎月の欄に源泉徴収の額(電算機計算の特例)を、年間の欄に年末調整後の年税額を表示し、その差額の目安も示します。
住民税は前年の所得で決まる(就職 1 年目はかからない)
住民税は、前年 1〜12 月の所得をもとに計算され、その年の 6 月から翌年 5 月まで 12 回に分けて給与から引かれます(特別徴収)。新卒で就職した 1 年目は前年の所得がほとんどないため住民税はかからず、2 年目の 6 月から引かれ始めるので手取りが減ったように感じます。
このツールの「概算する」は、前年も同じ収入・社会保険料だったと仮定し、所得割 10%(調整控除後)と均等割・森林環境税 5,000 円で計算します。非課税になる所得の基準は自治体の級地や家族構成で変わり、ふるさと納税や住宅ローン控除でも金額が変わるため、正確な額は毎年 5〜6 月に会社から渡される「特別徴収税額の決定通知書」で確認し、「金額を入力」に入れてください。
よくある質問
手取りは額面の何割くらいですか?
扶養なしの会社員で、年収 300〜500 万円ならおおむね 79〜80%、700 万円で約 76%、1,000 万円で約 73% です。40 歳以上は介護保険料が加わるため、さらに 1% ほど下がります。
年収 500 万円の手取りはいくらですか?
東京都・39 歳以下・扶養なし・賞与なしの場合、社会保険料が約 72 万円、所得税が約 9 万円、住民税が約 24 万円で、年間の手取りは約 394 万円(月平均約 32 万 9,000 円)です。
子ども・子育て支援金はいくら引かれますか?
協会けんぽでは標準報酬月額の 0.23% を会社と折半し、本人負担は 0.115% です。月給 20 万円で 230 円、30 万円で 345 円、50 万円で 575 円が目安です。2026 年 4 月分(5 月支給の給与)から徴収されています。
健康保険組合や共済組合に加入している場合も使えますか?
このツールは協会けんぽの都道府県別料率で計算します。健康保険組合は組合ごとに料率や会社の負担割合が異なるため、健康保険料と支援金の額が変わります。厚生年金・雇用保険・税金の計算は同じです。
毎月の所得税と年間の所得税が合わないのはなぜですか?
毎月の所得税は源泉徴収税額表による仮の税額で、正確な年税額は年末調整で決まるためです。2026 年は税制改正で基礎控除が引き上げられたものの、毎月の税額表は 11 月まで改正前のままなので、12 月の年末調整で多めに戻る人が多くなります。
賞与(ボーナス)からも社会保険料は引かれますか?
引かれます。賞与の 1,000 円未満を切り捨てた「標準賞与額」に、健康保険・介護保険・子ども・子育て支援金・厚生年金の料率を掛けます。健康保険は年度の累計 573 万円、厚生年金は 1 回 150 万円が上限です。雇用保険料は賞与の額そのものに料率を掛けます。
4〜6 月に残業が多いと社会保険料が上がるのは本当ですか?
本当です。健康保険・厚生年金の標準報酬月額は、原則として毎年 4〜6 月の 3 か月の給与(残業代や通勤手当を含む)の平均で決まり、その年の 9 月分から 1 年間使われます(定時決定)。この時期の残業が多いと、その後 1 年間の保険料が高くなります。
計算結果はどのくらい正確ですか?
社会保険料は公表されている保険料額表と同じ方法で計算しているため、標準報酬月額が同じなら一致します。所得税は電算機計算の特例を使うため税額表と数十円ずれることがあり、住民税は前年も同じ収入と仮定した概算です。生命保険料控除・医療費控除などは考慮していません。
最終更新: ソースコードを見る